サーモスタットはクーラント(冷却水)が一定の温度になると弁が開き、クーラントを循環させるパーツです。
一般ではローテンプサーモは冷却系のパーツと思われがちですが、そもそもサーモスタット本来は水温を早く適正温度に上げるためのパーツになります。
特にサーキットなどで全開走行をする場合、エンジンにとって水温は高いのはモチロンのこと、低くても悪影響を及ぼします。
街乗りのでも、サーモスタットが無ければ夏はそれほど問題になりませんが、冬になるといつまで経っても水温が上がらず、ヒーターが効きません( ̄▽ ̄;
では水温が低い状態、コレをオーバークールと言いますが、何が不都合なのか説明しますね〜 d( ̄▽ ̄
JINは70℃を下回っている場合はオーバークールと判断しています。
オーバークール時、エンジン内部ではピストンとシリンダーのクリアランスが広がった状態になります。
そんな状態で全開走行するとピストンの首振りの振動が大きくなり、ピストン・シリンダーの磨耗、
更にはピストンの棚落ちなどのエンジンブローが起きる可能性があります
ピストンが余計な動きをするワケですから当然エンジン出力ロスも発生します。
エンジンによって差はありますが、適正水温は大体75℃〜85℃と言われています。
適正水温ならピストンとシリンダーのクリアランスは適正になり無駄なくエンジンパワーを出すことができます。
ですので、水温が低いときはサーモを閉じた状態にしてクーラントを循環させず積極的に水温を上げ、水温が高い場合は弁を開きクーラントを循環させ水温を下げる。
つまり、適正水温になるように調整するワケです d( ̄▽ ̄
以上の通りオーバークールはイケナイと説明しているのになぜ、純正よりも低い温度で開くローテンプサーモを必要とするのでしょう?
それにはサーモ本体の仕組みを知る必要があります。
純正サーモスタットの弁開温度が80℃とします。
実は水温が80℃になっても弁は一気に開くわけではなく、温度の上昇とともに徐々に開いていきます。
そして90℃でやっと弁が全開になるとします。
この時点で冷却性能を100%出していることになります。
90℃で弁が全開になってエンジンを冷やすと水温は95℃以上になるハズ・・・( ̄▽ ̄;
90℃です。適正水温を上回った状態でやっと100%の冷却性能です。
で、90℃を下回ると弁は閉じ始めます。
適正水温に下がる前なのにですよ?
サーキット走行では更に水温が上がろうとしするにも関わらず です。
恐らくこの状態では水温は90℃〜95℃をうろうろすることになるハズです。
あるいはもっと高い温度になる可能性も・・・( ̄_ ̄;
クーリングするにも、90℃を下回ると弁が閉じ始めるとなるとなかなか適正水温までもっていけませんし(^_^;
そして、適正温度まで下げても弁は全開ではないからすぐに水温が・・・( ̄▽ ̄;
このように街乗りでは適正温度に保てても、サーキットではサーモの仕事が遅く水温が上昇してしまいます。
では、サーモの全開温度を80℃にしたらどうなるか?
適正温度内で100%の冷却性能を発揮して、エンジンを冷却し始める。
この状態ならそうそうすぐに水温が上がることはなくなるはずです。
クーリングでも80℃までなら弁は全開なのでそこまではスムーズに水温を下げることができます。
つまりは弁の全開温度を下げると必然的に弁開温度も下がってしまうだけの話で、適正温度までしっかり暖気と暖機運転してやれば全く問題ありません。
ただ、実際ローテンプサーモだけで水温を抑えるのは難しい、と言うかムリです( ̄▽ ̄;
水温の放熱はラジエーターに依存するのが理由です。
でも水温上昇の時間は抑えることができるので、その分たくさん走れるでしょ?
なのでローテンプサーモで水温を下げられると言う考えは持たないようにして下さい。
d( ̄▽ ̄
ローテンプサーモはオーバークールへの懸念や、「水温上がっちゃえば同じでしょ?」と考える人もいますが、
弁開温度より全開温度で考えれば必要性を感じるかもよ?